WAKI H | 和木の平屋
2022
SHIMANE

敷地は、日本海から程近く、南側は隣地を挟んで国道があり、北西側からの浜風の吹く場所に位置しています。施主は、夫婦と100歳の母の３人暮らしです。ゆったりとした敷地を活かしたおおきな軒と最小限必要な空間と屋外空間である庭とが寄り添う家を考えました。当初、施主は柵のような形で外部と敷地を区切りたいというご希望をお持ちでしたが、完全に閉じるのではなく、空間で仕切る事ができないかと考え、軒下を広く設けることで、空間を仕切るプランを提案しました。軒下空間がプライベートとパブリックの中間の場所としての役割を果たし、緩やかに内と外を分けることを意図しています。メインのエントランスである西側は、米松の登り梁により浮遊感のある屋根とし、人を誘導し引き込むような柔かな屋根を考えました。内部の屋根と外部の屋根を同素材とすることで、内部から外部への視線の誘導と連続性を考えています。現在も仕事をしながら暮らしている夫婦が家にいる時は、外部である庭との関係性が近くなり、天井高の高い空間の中で、ゆったりとした時間を過ごしてほしいと願います。

所在地　　島根県江津市
用途　　　住宅
設計監理　高橋翔太朗建築設計事務所　高橋翔太朗　中道泰子
構造設計　tmsd 萬田隆構造設計事務所
施工管理　森下建設株式会社
写真　　　岡田泰治

受賞　NICHIHA SIDING AWARD 2023 ニチハ賞